こなつ便りを発行しました

こなつ便り 令和3年5月

こなつ便り 令和3年5月
クリックで拡大表示されます

~作業療法士から見たこなつでのプログラム~

老齢期では、加齢とともにできなくなることや、一緒に過ごした人たちがいなくなる喪失体験が増えます。さらに認知症が重なってくると、物事や頼れる周りの人、自分さえもわからなくなることで、「周囲に迷惑がかかるのではないか」「自分は何もできなくなってしまった」「自分はどうなっていくのだろう」と不安でいっぱいになります。

 しかし、認知症になっても、すぐに全てができなくなるわけではありません。日常生活活動に加え、先人の知恵や、人を労わる・助け合うこと、今を楽しむことなど、まだまだできることがたくさんあります。

季節行事や外出は、今はいつなのか、この物事は何なのかを認識する脳機能に自然と働きかけます。馴染みの活動であれば「やってみよう」という気持ちになり、達成もしやすく、「これができた」「役に立てた」という感覚が持てます。また、楽しい体験を仲間と共にすることで、「ここにいても良いのだ」と安心して過ごせる時間が生まれます。体験自体を忘れたとしても、そういった感情は積み重なっていきます。できることをできる限り安心して続けることは、認知症の進行を遅らせるだけでなく、失っていた自信や意欲を取り戻すこともあります。

“昔取った杵柄”“馴染みの活動”“好きなこと”をプログラムにする際、ご利用者の個々の状態やできることを見極め提供することが大切です。作業療法士として、ご家族やケアマネからの情報も踏まえ、ケア会議にて一緒にプログラムを考えています。プログラムを通して、ご利用者それぞれが望む今の生活をサポートできればと思います。

                           作業療法士 佐野飛鳥

これまでの取り組み

2021年5月20日

2021年7月21日